歯周病治療

歯周病とは

歯周病は以前は歯槽膿漏とよばれていました。高齢者の病気のように思われていらっしゃる方もいるかもしれませんが、10代や20代でも歯周病にはなります。

日本人の歯を失う原因の1位はこの歯周病です。

歯周病は、サイレントディジーズ(静かに進行する病)ともいわれ、自覚症状が少なく、いつの間にか進行しているといったことが少なくありません。

歯周病のメカニズム

プラーク(歯垢)が歯と歯ぐきの間にたまると歯茎に炎症が起きて「歯周ポケット」と呼ばれる隙間ができ、さらにプラークたまりやすくなります。

やがて歯周ポケットが深くなっていき、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けていき、歯を失うことになります。

そのようなことを避けるためには、プラークを徹底的に除去することが必要となります。

歯周病の検査

レントゲン撮影

レントゲン撮影で歯槽骨の状態を確認します。

プロービング

歯周病の検査で最も行われているものが「プロービング」です。

専用の器具を使用して、全ての歯の歯周ポケットの深さを測定、記録していきます。

プロービングにより、どの歯の周りがどの程度、歯を支える骨が溶けてしまっているかがわかります。

歯周病の治療

歯周病は急性の病気とは違い、慢性的に進行し、もともとの体質や生活習慣なども影響します。そしてバイオフィルムに守られているため特効薬はありません。そのため、セルフケアと歯科医院での定期的な治療やメインテナンスが必要になります。

TBI

「TBI」 は歯磨き方法の指導のことです。歯周病の治療には、ご自身によるセルフケアがとても大切になります。歯科医院で行う治療が全てではありません。ご自身による常日頃からのブラッシングを正しく行うことと、歯科医院で行う治療の両方が大切なのです。

正しいブラッシング方法を身に着けて頂き、プラークを除去し、歯周病の原因となる細菌を繁殖させないことが大切です。TBIでは、歯に歯垢を染め出す液体をつけて、確認しながら、正しいブラッシング方法を指導いたします。

スケーリング・ルートプレーニング

「スケーリング(歯肉縁上の歯石除去)」は、「スケーラー」という専用の器具を使用して、歯肉(歯ぐき)よりも上の見えている部分(歯肉縁上)の歯垢や歯石を除去する治療です。

歯肉(歯ぐき)に隠れている部分(歯肉縁下)の歯垢や歯石を除去する治療のことを、「ルートプレーニング(歯肉縁下の歯石除去)」といいます。ルートプレーニングでは、歯ぐきに麻酔を注射して、可能な限り痛みを感じにくい状態で行います。

この、歯肉縁下に歯石がある場合、それを残してしまうと、歯ぐきの奥の見えない部分が細菌の温床になり、どんどん歯槽骨を失ってしまいますので、しっかり治療することが大切です。

歯周外科治療

歯周病の状態によっては、歯を失わないためには、必要に応じて外科的治療が必要な場合もあります。

フラップ手術といって、歯茎を部分的に切開し、直接目視しながら、歯石や病巣を取り除く方法です。

定期的な検査・歯石除去での再発予防と早期治療が大切です

歯周病は、歯科医院で歯石を除去したから完治とはならない特徴があります。歯周病は、非常に再発しやすいため、定期的に歯科医院を受診して、再発の兆候が出始めたら早期治療することが大切です。歯科医院で行う治療と、ご自身で行うセルフケア、定期検診、再発がある場合には早期治療といったサイクルで、歯周病をそれ以上悪くならないようにコントロールしていくことが大切となります。